肩甲骨の運動には、肩甲骨まわしや肩甲骨を寄せる運動など、自宅で簡単にできる方法があります。肩甲骨を動かすメリットや具体的なやり方、効果を高めるポイント、運動時の注意点まで詳しく解説します。
肩甲骨の運動とは?肩や腕の動きを支える肩甲骨の役割
肩甲骨はどこにある?「背中の骨」と思われがちな肩甲骨の特徴
「肩甲骨って、背中にある三角形の骨のことだよね?」
そう思っている方も多いかもしれません。肩甲骨は背中の上部にある平らな骨で、胸郭の上を動くような構造になっています。肩甲骨の外側には、上腕骨とつながる関節窩(かんせつか)という部分があり、腕を動かすときの土台の一つになるとされています。(日本オペラ協会)
「じゃあ、腕を上げるときは肩の関節だけが動いているの?」
実は、そうとは限りません。肩関節の動きには、肩甲骨と上腕骨が一緒に動く「肩甲上腕リズム」が関係しているとされ、肩甲骨も腕の動きに合わせて動いています。(国立国会図書館サーチ(NDLサーチ))
肩甲骨は腕を動かすために重要な役割を担っている
肩甲骨には、上下に動く「挙上・下制」、背骨に近づいたり離れたりする「内転・外転」、腕を上げる際などに行われる「上方回旋・下方回旋」など、さまざまな動きがあります。
たとえば腕を高く上げる動作では、肩関節だけでなく肩甲骨も連動して動くことが知られています。日本整形外科学会でも、腕を挙上するときには前鋸筋や僧帽筋などが働き、肩甲骨が胸郭の上を動くことが説明されています。(日本オペラ協会)
「肩甲骨の運動って、肩をぐるぐる回せばいいの?」
肩甲骨の運動は、単に肩を回すだけではありません。肩甲骨をさまざまな方向へ無理なく動かし、周囲の筋肉を使うことがポイントになります。普段あまり肩を動かさない方は、まずは小さな動きから始めてみるとよいでしょう。
引用元:
日本整形外科学会「翼状肩甲骨(翼状肩甲)」
日本リハビリテーション医学会「水平内外転運動における肩甲骨の役割」
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肩甲骨の運動で期待できること
肩甲骨を動かすことで肩まわりの動きがスムーズになることも
「肩甲骨の運動って、肩こり対策になるの?」
そんな疑問を持つ方もいるでしょう。肩甲骨は、腕や首を動かすときにも連動して動くため、肩まわりの動きと深く関係しているとされています。普段あまり体を動かさない方や、デスクワークなどで同じ姿勢が続く方は、肩甲骨周辺を動かす習慣を取り入れてみるのも一つの方法です。適度な運動やストレッチによって、肩甲骨や首まわりの動きを促すことが肩こりの予防につながると言われています。(汐田総合病院)
肩こりや姿勢が気になる方にも取り入れやすい
「最近、肩が重く感じるし、姿勢も気になるんだけど……」
このような場合にも、肩甲骨の運動が選択肢になります。肩甲骨を寄せたり離したりする運動では、僧帽筋など肩甲骨周辺の筋肉を動かします。調布東山病院では、肩甲骨を近づけたり離したりするストレッチについて、姿勢の改善や肩の痛みの予防・改善が期待できると紹介しています。(東山病院)
ただし、肩甲骨の運動をすれば、すべての肩こりや肩の痛みが改善するとは限りません。肩の症状にはさまざまな原因があるため、痛みが強い場合や運動によって症状が悪化する場合は、無理に続けないことが大切です。(医療法人社団景翠会 金沢病院グループ)
肩甲骨の動きを意識して無理なく続けよう
「じゃあ、まず何をすればいい?」
最初は肩を大きく回したり、肩甲骨をゆっくり寄せたり離したりする程度でも構いません。勢いをつけず、呼吸を止めないようにしながら、自分が動かしやすい範囲で行ってみましょう。肩甲骨の運動は、一度に頑張るよりも、日常生活の中で無理なく続けることがポイントです。
引用元:
汐田総合病院「肩こり予防とストレッチ」 (汐田総合病院)
調布東山病院「ちょこリハ 肩甲骨ストレッチ」 (東山病院)
済生会「寒い季節こそストレッチしよう!肩こり予防のすすめ」 (社会福祉法人再生会)
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自宅でできる肩甲骨の運動5選
1.肩甲骨を寄せる・離す運動
「肩甲骨を動かしたいけど、難しい運動は続かなそう……」
そんな方は、まず肩甲骨を寄せたり離したりする運動から始めてみましょう。両肘を後ろへゆっくり引き、左右の肩甲骨を近づけたら3~5秒ほどキープします。その後、腕を前へ伸ばして肩甲骨を離しましょう。調布東山病院でも紹介されている方法で、僧帽筋を動かしながら肩甲骨周辺を伸ばす運動と言われています。(東山病院)
2.肩をゆっくり回す運動
「もっと手軽にできる方法はない?」
そんなときは、肩を前後にゆっくり回す運動も取り入れやすいでしょう。肩をすくめるように上げ、後ろへ回してから下ろす動きを繰り返します。反動をつけず、肩甲骨が動いている感覚を意識してみてください。
3.腕を上げ下げする運動
腕をゆっくり上げたり下ろしたりするだけでも、肩甲骨の動きを意識するきっかけになります。「腕を上げると肩がつまる感じがする」という場合は、無理に高く上げる必要はありません。痛みのない範囲で、できるところまで動かしてみましょう。腕や首を動かす際には肩甲骨の動きも伴うため、日頃から適度に動かすことが大切と言われています。(汐田総合病院)
4.胸を開いて肩甲骨を寄せる運動
「猫背が気になるときにもできる?」
胸を軽く開き、両腕を後ろへ引いて肩甲骨を寄せる方法もあります。このとき、腰を反らしすぎないよう注意しましょう。整形外科の運動指導でも、肩甲骨を引き寄せながら胸を開くストレッチが紹介されています。(阪田整形外科リハビリクリニック)
5.肩甲骨を外へ動かす運動
最後は、腕を前に伸ばして肩甲骨を外側へ動かす運動です。肩をすくめず、背中を丸めすぎないように意識するとよいでしょう。前鋸筋を使うトレーニングとして、手の甲を合わせて押し合う方法も整形外科で紹介されています。(阪田整形外科リハビリクリニック)
「どれから始めればいいかわからない」という方は、まず1つだけ選んで、無理のない範囲から始めてみてください。肩甲骨の運動は、痛みを我慢して行うものではありません。違和感や痛みが強い場合は中止し、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
引用元:
調布東山病院「ちょこリハ 肩甲骨ストレッチ」 (東山病院)
汐田総合病院「肩こり予防とストレッチ」 (汐田総合病院)
阪田整形外科リハビリクリニック「肩の痛みについて」 (阪田整形外科リハビリクリニック)
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肩甲骨の運動を行うときのポイントと注意点
痛みのない範囲でゆっくり動かす
「肩甲骨の運動って、たくさんやればいいの?」
実は、回数を増やすことよりも、無理のない範囲で丁寧に動かすことが大切と言われています。肩甲骨を動かすときは、反動をつけず、ゆっくりとした動きを意識しましょう。肩や腕に痛みがある場合は、痛みを我慢して続けないこともポイントです。整形外科でも、肩甲骨周囲の運動は「痛みのない範囲」で行うよう案内されています。(阪田整形外科リハビリクリニック)
肩甲骨の動きを意識して呼吸を止めない
「動かすことに集中すると、つい息を止めちゃう……」
そんな経験はありませんか?肩甲骨の運動では、力を入れすぎず、呼吸を続けながら行うことも大切です。肩甲骨が背骨に近づく、外側へ離れるなど、今どの方向へ動いているのかを意識してみてください。静岡市立静岡病院でも、肩甲骨の動きや使っている筋肉を意識し、反動をつけず、呼吸を止めないことがポイントとして紹介されています。(静岡市立静岡病院)
「痛いけど頑張る」は避けよう
「少しくらい痛くても、続けたほうがいい?」
ここは注意したいところです。肩甲骨の運動中に鋭い痛みが出たり、運動後に痛みが強くなったりする場合は、無理に続けないようにしましょう。整形外科では、運動後や翌日に痛みが出る場合は医師や療法士への相談が案内されています。(江田クリニック)
また、肩の痛みにはさまざまな原因があるため、「肩甲骨を動かせば必ず改善する」とは限りません。痛みが続く、腕が上げづらい、しびれがあるといった場合には、自己判断で運動を続けず、医療機関で状態を確認してもらうことが大切です。肩甲骨の運動は、気持ちよく動かせる範囲から少しずつ取り入れてみましょう。
引用元:
阪田整形外科リハビリクリニック「肩・肩甲骨周囲の運動 ストレッチ」 (阪田整形外科リハビリクリニック)
静岡市立静岡病院「上肢の障害とスポーツ傷害」 (静岡市立静岡病院)
西宮回生病院「肩甲骨周りのストレッチ」 (西宮回生病院)
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肩甲骨の運動に関するよくある疑問
肩甲骨の運動は毎日行ってもいい?
「肩甲骨の運動って、毎日やっても大丈夫?」
気になるところですよね。運動の内容やその日の体調にもよりますが、無理のない範囲であれば、日常的に肩甲骨まわりを動かす方法もあると言われています。実際に、医療機関では肩甲骨周辺の体操について、10回を1~3セット程度の目安を紹介している例もあります。ただし、回数を多くすればよいとは限りません。まずは自分が負担なく続けられる範囲から始めてみましょう。
肩甲骨の運動は何回くらい行えばいい?
「具体的には何回やればいいの?」
運動の種類によって異なりますが、10回程度を目安として紹介している医療機関があります。とはいえ、体力や肩の状態によって適した回数は変わるため、必ず同じ回数を行う必要があるわけではありません。疲れが強い日には回数を減らすなど、そのときの状態に合わせて調整するとよいでしょう。
肩甲骨を動かすと肩こりの改善につながる?
肩甲骨は腕や肩の動きと連動しているため、肩甲骨周辺の筋肉を動かすストレッチが、肩まわりの筋肉の緊張をやわらげる方法の一つになると言われています。
「じゃあ、肩こりは肩甲骨の運動だけで改善するの?」
これは一概には言えません。肩こりや肩の痛みにはさまざまな原因があるため、症状によっては別の対応が必要になる場合もあります。
肩甲骨がゴリゴリ鳴る場合は大丈夫?
肩を動かしたときに音が鳴ることがありますが、音だけで問題があるかどうかを判断することは難しいでしょう。一方で、ゴリゴリという音に加えて強い痛みや腕の動かしづらさ、しびれなどがある場合は、無理に肩甲骨の運動を続けないことが大切と言われています。
肩甲骨を動かすと痛い場合はどうする?
「少し痛いけど、頑張って続けたほうがいい?」
痛みを我慢して運動を続けることは避けましょう。岐阜大学医学部附属病院でも、運動中に痛みなどがある場合は中止し、医師や理学療法士に相談するよう案内されています。肩甲骨の運動は、気持ちよく動かせる範囲から取り入れることがポイントです。
引用元:岐阜大学医学部附属病院「健康体操 第4回」
引用元:西宮回生病院「肩甲骨周りのストレッチ」
引用元:おかもと整形外科クリニック「肩甲骨の体操」
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