**肩甲骨周囲筋とは?**僧帽筋・菱形筋・肩甲挙筋・前鋸筋など代表的な筋肉の種類や役割を解説します。肩甲骨の動きとの関係、肩こりや姿勢への影響、自宅でできるストレッチ・トレーニング、注意点まで紹介します。
目次
肩甲骨周囲筋とは?肩甲骨の動きを支える筋肉
「肩甲骨周囲筋って、具体的にはどこの筋肉?」と疑問に感じる方もいるでしょう。肩甲骨の周りには、肩甲骨を動かしたり、位置を安定させたりする複数の筋肉があります。代表的なものとして、僧帽筋や菱形筋、肩甲挙筋、前鋸筋などが挙げられます。
肩甲骨周囲筋は肩甲骨の動きに関わる
肩甲骨は背中に固定された骨というイメージがあるかもしれません。しかし実際には、腕を上げたり下げたりするときに、胸郭の上を動きながら肩の動きを支えています。
では、どの筋肉が働いているのでしょうか。たとえば、僧帽筋は上部・中部・下部に分かれており、それぞれ肩甲骨の動きに異なる形で関わっています。また、前鋸筋は肩甲骨を胸郭に安定させながら、腕を上げる動作に関係すると言われています。研究でも、肩関節を挙上する際には、前鋸筋や僧帽筋などの肩甲骨周囲筋が活動することが報告されています。(J-STAGE)
肩甲骨周囲筋は「寄せる筋肉」だけではない
「肩甲骨を動かすなら、背中の筋肉を鍛えればいいの?」と思うかもしれません。ところが、肩甲骨の動きは一つの筋肉だけで作られるものではありません。
菱形筋は肩甲骨を背骨側へ引き寄せる動きに関わり、肩甲挙筋は肩甲骨を引き上げる働きに関係します。一方、前鋸筋は肩甲骨を外側へ動かすなど、異なる方向の動きを担っています。肩甲骨の動きには、こうした筋肉同士の協調が重要と考えられています。(J-STAGE)
そのため、肩甲骨周囲筋を考えるときは「どの筋肉が硬いか、弱いか」だけでなく、肩甲骨がどのように動いているのかにも目を向けることが大切です。肩や背中の違和感が気になる場合は、無理に運動を続けず、状態に合わせて専門家へ相談するとよいでしょう。
引用元:
J-STAGE「肩関節挙上運動における健常人の肩甲骨周囲筋の筋活動」
J-STAGE「結帯動作方法の違いによる肩甲骨運動と肩甲骨周囲筋の筋活動」
医書.jp「肩関節屈曲と外転時の肩甲骨運動の特徴と肩甲帯周囲筋との関連性」
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肩甲骨周囲筋の主な種類とそれぞれの役割
「肩甲骨周囲筋って、結局どの筋肉のこと?」と思う方も多いのではないでしょうか。肩甲骨の周囲には、肩甲骨を動かしたり、位置を支えたりする筋肉がいくつもあります。代表的なのが、僧帽筋、菱形筋、肩甲挙筋、前鋸筋などです。それぞれ役割が違うため、肩甲骨をスムーズに動かすには、筋肉同士の協調が大切だと言われています。
僧帽筋・菱形筋・肩甲挙筋の役割
まず、背中の広い範囲にある僧帽筋は、上部・中部・下部に分けられます。上部線維は肩甲骨を引き上げる動き、中部線維は肩甲骨を背骨側へ寄せる動き、下部線維は肩甲骨を下げる動きなどに関係するとされています。実際の動作では、これらが単独ではなく、ほかの筋肉と協力して働くと考えられています。(J-STAGE)
「肩甲骨を寄せるなら菱形筋?」という疑問もありますよね。菱形筋は肩甲骨を脊柱側へ引き寄せる動きに関係する筋肉です。一方、肩甲挙筋は肩甲骨を上方へ引き上げる働きに関わります。
前鋸筋も肩甲骨の動きを支える重要な筋肉
「前鋸筋って胸の横にある筋肉じゃないの?」と思うかもしれません。前鋸筋は肋骨から肩甲骨につながっており、肩甲骨を前方へ動かしたり、安定させたりする働きに関係すると言われています。
肩関節を上げる動作では、前鋸筋と僧帽筋が協調して肩甲骨の上方回旋などに関わることが研究で報告されています。(J-STAGE)
このように、肩甲骨周囲筋は「肩甲骨を寄せる筋肉」だけではありません。引き上げる、寄せる、下げる、前へ動かす、安定させるなど、それぞれ異なる役割を担っています。肩甲骨の動きを考えるときは、一つの筋肉だけを見るのではなく、筋肉同士がどのように働いているのかにも目を向けるとよいでしょう。
引用元:
J-STAGE「肩関節挙上運動における健常人の肩甲骨周囲筋の筋活動」 (J-STAGE)
J-STAGE「結帯動作における肩甲骨周囲筋群の筋活動について」 (J-STAGE)
J-STAGE「肩関節屈曲と外転時の肩甲骨運動の特徴と肩甲帯周囲筋との関連性」 (J-STAGE)
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肩甲骨周囲筋が硬くなったり弱くなったりするとどうなる?
「肩甲骨のあたりがガチガチする」「腕を動かすと、なんとなく動かしづらい……」そんな経験はありませんか?肩甲骨周囲筋は、肩甲骨の位置を支えながら腕の動きを助けているため、筋肉の柔軟性や筋力、働き方のバランスが変化すると、肩甲骨の動きにも影響する可能性があると言われています。
肩甲骨周囲筋が硬くなると肩甲骨の動きに影響することも
肩甲骨周囲筋のなかには、姿勢や日常動作などによって負担がかかり、柔軟性が低下する筋肉もあります。たとえば小胸筋の柔軟性が低下すると、肩甲骨の運動に影響することが報告されています。研究では、小胸筋のストレッチング後に、腕を上げる動作中の肩甲骨の外旋や後傾などに変化がみられたとされています。(J-STAGE)
「じゃあ、肩甲骨周りが硬い=必ず肩が痛くなるの?」と思うかもしれません。そこは少し注意が必要です。肩の痛みや動かしづらさにはさまざまな要因が関係するため、筋肉の硬さだけが原因とは言い切れません。
肩甲骨周囲筋が弱くなると動作に影響する場合がある
一方で、肩甲骨を安定させる筋肉の筋力が低下すると、肩甲骨を適切な位置に保つことが難しくなる場合があります。肩甲骨周囲筋の評価では、筋力や肩甲骨を胸郭へ固定する能力が重要とされており、筋力トレーニングでは筋肉を適切に働かせることが大切だと報告されています。(J-STAGE)
また、腕を上げる際に肩をすくめるような動作では、僧帽筋上部の活動が増える一方、下部線維の活動が抑えられたという研究もあります。つまり「筋肉があるかどうか」だけではなく、どの筋肉が、どのタイミングで働いているかもポイントになるわけです。(J-STAGE)
肩甲骨周囲筋の硬さや筋力低下が気になるときは、無理に動かすのではなく、肩甲骨の動きや姿勢なども含めて状態を確認するとよいでしょう。痛みやしびれ、腕の動かしづらさが続く場合は、自己判断で運動を続けず専門家へ相談することも検討してください。
引用元:
J-STAGE「小胸筋の柔軟性と肩甲骨運動の関連」 (J-STAGE)
J-STAGE「肩甲骨の安定性に関わる肩甲骨周囲筋の影響」 (J-STAGE)
J-STAGE「肩関節前方挙上時の肩すくめ動作が肩関節周囲筋に及ぼす影響」 (J-STAGE)
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肩甲骨周囲筋を整えるストレッチ・トレーニング
「肩甲骨周りが硬い気がするけど、どう動かせばいい?」と迷うことはありませんか?肩甲骨周囲筋を整えるときは、いきなり筋トレだけを行うのではなく、まず筋肉をゆっくり伸ばして動かしやすい状態をつくり、そのうえで必要な筋肉を鍛える方法が考えられています。研究や専門的な解説でも、肩甲骨周囲筋への運動は、柔軟性を高めるストレッチと筋力を高めるトレーニングを組み合わせる考え方が紹介されています。 (同志社大学リポジトリ)
肩甲骨周囲筋を伸ばすストレッチ
「まずはストレッチから始めたい」という方は、僧帽筋や肩甲挙筋、菱形筋、小胸筋などを無理のない範囲で伸ばしてみるとよいでしょう。たとえば、両腕を前に伸ばして背中をゆっくり丸めると、肩甲骨を外側へ広げるような動きを意識できます。肩甲骨周辺のストレッチとして、僧帽筋や菱形筋、前鋸筋などを対象にした方法も紹介されています。 (リセットピラティス)
ただし、「痛いほど伸ばしたほうが効く」というわけではありません。反動をつけず、心地よく伸びる程度を目安にしましょう。
肩甲骨周囲筋を鍛えるトレーニング
「ストレッチだけじゃなく、筋肉も鍛えたい!」という場合には、僧帽筋中部・下部や前鋸筋などを意識した運動が挙げられます。壁に手をついて腕をゆっくり上げる運動などは、肩甲骨の動きを意識しながら行いやすい方法の一つです。専門機関でも、壁を使って腕を滑らせる肩甲骨エクササイズが紹介されています。 (千葉メディカルセンター)
大切なのは、回数をこなすことよりも、肩をすくめたり勢いをつけたりせず、肩甲骨がなめらかに動く範囲で行うこと。痛みや違和感が出た場合は中止し、症状が続く場合には専門家へ相談してください。
引用元:
同志社大学「肩甲骨周囲筋に対する運動介入(エクササイズ)」 (同志社大学リポジトリ)
J-STAGE「ストレッチポールエクササイズが肩関節挙上角度と肩甲骨周囲筋に与える影響」 (J-STAGE)
千葉メディカルセンター「肩のエクササイズ」 (千葉メディカルセンター)
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肩甲骨周囲筋を健康に保つために日常生活でできること
「ストレッチやトレーニングを頑張らないと、肩甲骨周囲筋は整えられないの?」と思う方もいるでしょう。実は、特別な運動だけでなく、普段の姿勢やこまめに体を動かす習慣も大切だと言われています。長時間同じ姿勢を続けると、肩や背中の筋肉に負担がかかりやすいため、仕事や家事の合間に肩甲骨を動かす時間をつくってみましょう。 (公益財団法人 運動器の健康・日本協会 |)
長時間同じ姿勢を避けてこまめに体を動かす
「仕事中はずっとパソコンの前にいる」という方は少なくありません。デスクワークやスマートフォンの操作では、前かがみの姿勢が続きやすく、肩甲骨を大きく動かす機会も少なくなりがちです。そこで、作業の合間に一度立ち上がったり、肩をゆっくり回したりするだけでも、肩甲骨を動かすきっかけになります。
また、背中を軽く伸ばして胸を開き、肩甲骨を背骨側へ寄せる動きも取り入れやすい方法です。厚生労働省の資料でも、胸を軽く張りながら腕を開き、肩甲骨を動かす運動が紹介されています。 (厚生労働省)
普段の姿勢を見直して肩甲骨を動かす
「姿勢を良くしよう」と意識しすぎて、胸を張り続ける必要はありません。むしろ、同じ姿勢を長時間続けないことを意識してみてください。
たとえば、スマートフォンを見るときに画面を顔に近づけすぎない、椅子に座るときは背中を丸めたままにしないなど、できるところから変えていくのがおすすめです。日常生活では肩甲骨を外側へ動かす機会が多い一方、肩甲骨を寄せる動きや腕を上げる動きは少ないと言われています。 (MTG ONLINESHOP)
「今日は運動できなかった……」という日も、肩回しや胸を開く動きを数分取り入れるだけで構いません。無理なく続けられる習慣をつくり、肩甲骨周囲筋を定期的に動かしていきましょう。強い痛みやしびれ、腕の動かしづらさなどがある場合は、運動を続ける前に医療機関へ相談することも大切です。 (社会福祉法人再生会)
引用元:
厚生労働省「腰痛予防対策をしよう」 (厚生労働省)
公益財団法人 運動器の健康・日本協会「理学療法士が教える肩こりに効く1日10分ストレッチ」 (公益財団法人 運動器の健康・日本協会 |)
SIXPAD「肩こり解消におすすめな肩甲骨ストレッチ」 (MTG ONLINESHOP)
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