呼吸と横隔膜にはどのような関係があるのでしょうか?横隔膜の位置や役割、息を吸う・吐くときの動き、浅い呼吸との関係をわかりやすく解説します。姿勢や日常生活でできる横隔膜の整え方も紹介します。
目次
呼吸に関わる横隔膜とは?位置と役割を解説
横隔膜は胸とお腹の境目にある筋肉
「横隔膜って名前は聞いたことがあるけれど、どこにあるの?」と思う方もいるかもしれません。横隔膜は、胸腔と腹腔を隔てるように位置しているドーム状の筋肉です。肺の下側にあり、肋骨や胸骨、背骨の一部につながっています。(コトバンク)
「膜」という名前がついているものの、実際には筋肉なんです。普段は意識して動かしていなくても、呼吸をするたびに上下へ動いています。では、息を吸ったり吐いたりするとき、横隔膜はどのように働いているのでしょうか?
横隔膜は呼吸をするために重要な役割を担っている
「呼吸は肺が自分で動いているんじゃないの?」と感じる方もいるでしょう。実は肺そのものには、肺を動かすための骨格筋がありません。横隔膜などの呼吸筋が胸郭を動かすことで、肺に空気が出入りすると言われています。(MSD Manuals)
息を吸うときには横隔膜が収縮して下へ移動し、胸腔が広がります。その結果、肺が広がり、空気が取り込まれる仕組みです。一方、息を吐くときには横隔膜がゆるんで元の位置へ戻り、肺から空気が押し出されます。(野田市公式サイト)
「お腹がふくらむように呼吸するのはなぜ?」という疑問も、横隔膜の動きを知るとイメージしやすくなります。横隔膜が下がることで腹部にも動きが生じるため、腹式呼吸ではお腹が前にふくらむように感じられると言われています。
普段何気なく繰り返している呼吸ですが、その裏では横隔膜が休むことなく働いているんですね。呼吸を考えるときは、肺だけでなく横隔膜の動きにも目を向けてみるとよいでしょう。
引用元:
くまのみ整骨院グループ「肋骨が出ている原因は?出っ張りを引き締めるストレッチも紹介」
野田市「横隔膜と呼吸」
厚生労働省「呼吸器系の重要な機能」
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呼吸をすると横隔膜はどう動く?吸う・吐くときの仕組み
息を吸うときは横隔膜が下がる
「息を吸ったとき、横隔膜はどうなっているの?」と疑問に思う方もいるでしょう。呼吸では、横隔膜が上下に動くことで肺に空気が出入りすると言われています。
息を吸うときには、横隔膜が収縮して下方向へ移動します。すると胸腔の容積が大きくなり、胸腔内の圧力が低下することで肺が広がり、空気が取り込まれる仕組みです。(city.noda.chiba.jp)
「お腹がふくらむように感じるのはなぜ?」と思うかもしれません。横隔膜が下がると腹腔内の圧力が高まり、腹壁が前方へ動くため、腹式呼吸ではお腹がふくらんだように見えると言われています。
息を吐くときは横隔膜が上がる
では、反対に息を吐くときはどうでしょうか。「吐くときも横隔膜が頑張って動いているの?」と感じるかもしれませんが、安静時の呼気では、横隔膜が収縮をやめて弛緩するとともに、肺や胸郭が元の状態へ戻ることで空気が外へ出ていくとされています。(jaccw.or.jp)
つまり、基本的には吸うときに横隔膜が収縮して下がり、吐くときには弛緩して上がるという動きです。運動中など、より強く息を吐く必要がある場面では、腹筋などの呼気筋も働くと言われています。(jstage.jst.go.jp)
「吸う・吐く」を繰り返すたびに、横隔膜はこうした動きをしています。普段は意識することが少ない呼吸ですが、横隔膜と胸郭が連動して動いていると考えると、呼吸の仕組みもイメージしやすいでしょう。
引用元:
野田市「横隔膜と呼吸」 (野田市公式サイト)
一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会「運動時の換気」 (公益社団法人 日本介護福祉士会)
日本理学療法士協会「呼吸器の解剖・運動学」 (jstage.jst.go.jp)
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横隔膜がうまく動かないと呼吸が浅くなるのはなぜ?
横隔膜の動きが小さくなると呼吸も浅くなりやすい
「最近、深呼吸をしても胸があまり広がらない」「気づくと浅い呼吸になっている」と感じることはありませんか?その背景には、横隔膜の動きが関係している場合があると言われています。
横隔膜は肺の下にあるドーム状の筋肉で、息を吸うときに収縮して下へ移動します。この動きによって胸腔が広がり、肺に空気を取り込むスペースが生まれる仕組みです。ところが、横隔膜の動きが小さくなると、胸郭が十分に広がりにくくなり、1回の呼吸で取り込む空気の量も少なくなりやすいとされています。(明治国際医療大学)
「じゃあ、横隔膜が動きづらくなるのはなぜ?」と思いますよね。その一つとして挙げられるのが姿勢です。猫背や前かがみの姿勢が長く続くと、肋骨の動きが制限され、横隔膜が動くためのスペースにも影響すると言われています。(一般社団法人メディカル・フィットネス協会)
浅い呼吸では首や肩を使いやすくなることも
「横隔膜が十分に動かないなら、体はどうやって呼吸するの?」という疑問もあるでしょう。呼吸では横隔膜だけでなく、肋間筋など複数の筋肉が関わっています。そのため、横隔膜の動きが小さい状態では、首や肩周辺の筋肉などが呼吸を補助するケースもあるとされています。(一般社団法人メディカル・フィットネス協会)
ただし、呼吸が浅くなる原因は横隔膜だけとは限りません。姿勢、運動量、緊張やストレス、呼吸器など、さまざまな要素が関係する可能性があります。「横隔膜が動かない=必ず浅い呼吸になる」と単純に考えないことも大切です。
まずは、普段の姿勢や呼吸の状態を振り返ってみましょう。座っているときに背中が丸まっていないか、息を吸うと胸や肋骨が自然に動いているかなどを確認すると、自分の呼吸を意識するきっかけになります。
引用元:
一般社団法人メディカル・フィットネス協会「呼吸を活かす“姿勢”という土台 横隔膜が動ける体をつくる」(一般社団法人メディカル・フィットネス協会)
明治大学「日本東洋醫學研究會誌」 (明治国際医療大学)
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横隔膜をしっかり動かす呼吸法とセルフケア
横隔膜を意識した呼吸を試してみよう
「横隔膜をしっかり動かすには、どう呼吸すればいいの?」という方は、まず腹式呼吸を試してみるとよいでしょう。腹式呼吸は横隔膜の動きを意識しやすい呼吸法の一つと言われています。(環境再生保全機構)
やり方は意外とシンプルです。まず仰向けになり、膝を軽く曲げて、お腹と胸に手を置きます。「胸の手はなるべく動かさず、お腹がゆっくり膨らむように息を吸ってみましょう」。鼻から無理のない範囲で吸ったら、今度は口をすぼめて、ゆっくり息を吐きます。このとき、お腹が自然にへこんでいくのを手で確認してみてください。(環境再生保全機構)
「たくさん吸ったほうがいいの?」と思うかもしれませんが、必ずしも深く吸う必要はありません。無理にお腹を膨らませようとすると、かえって息苦しさにつながる場合もあるため、まずは普段の呼吸に近い自然なペースから始めることがすすめられています。
姿勢を整えて呼吸しやすい状態をつくる
「呼吸法をやってみたけれど、なんだかやりづらい……」そんなときは、姿勢を見直してみましょう。横隔膜の動きを意識するときには、体に余計な力が入りすぎない姿勢で行うことが大切と言われています。(PEGドクターズネットワーク)
仰向けでできるようになったら、座った姿勢、立った姿勢へと少しずつ変えてみるのも一つの方法です。「仕事中や家事の合間にも呼吸を意識したい」という場合は、背中を丸めすぎず、肩の力を抜いて、ゆったり呼吸するところから始めてみてください。
なお、呼吸法は体調や疾患によって適した方法が異なる場合があります。痛みや息苦しさが出るときは無理に続けず、専門家に相談するようにしましょう。(福岡病院)
引用元:
環境再生保全機構「実践編|腹式呼吸」 (環境再生保全機構)
PEGドクターズネットワーク「安静呼吸のためにはどんな鍛錬が必要でしょうか?」 (NPO法人PDN)
国立病院機構 福岡病院「呼吸リハビリテーション」 (fukuoka.hosp.go.jp)
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呼吸と横隔膜についてよくある疑問
横隔膜と腹式呼吸は同じもの?
「横隔膜と腹式呼吸って、同じ意味なの?」と思う方もいるでしょう。横隔膜は、胸腔と腹腔の境目にあるドーム状の筋肉を指します。一方、腹式呼吸は横隔膜を主に使って行う呼吸の方法です。そのため、横隔膜そのものと腹式呼吸は別のものですが、深く関係していると言われています。(厚生労働省)
「じゃあ、腹式呼吸をすると何が起こるの?」という疑問もありますよね。息を吸うと横隔膜が下がり、それに伴ってお腹がふくらむように動くのが特徴です。反対に息を吐くと横隔膜が上がり、お腹も自然にへこんでいくとされています。(環境再生保全機構)
横隔膜を意識すると呼吸は深くなる?
「最近、呼吸が浅い気がするから横隔膜を意識してみたい」という場合、腹式呼吸を練習する方法があります。環境再生保全機構では、仰向けになって胸とお腹に手を置き、鼻から息を吸ってお腹の動きを確認する方法が紹介されています。ただし、無理にお腹を大きく膨らませる必要はなく、普段の呼吸に近い自然なペースで行うことがすすめられています。(環境再生保全機構)
「深く吸わなきゃ」と頑張りすぎるより、まずはゆっくり呼吸するところから始めてみるとよいでしょう。呼吸に痛みや強い息苦しさがある場合は、無理に呼吸法を続けず、医療機関への相談を検討してください。
引用元:
厚生労働省「腹式呼吸と胸式呼吸」
独立行政法人環境再生保全機構「COPDの用語集」
独立行政法人環境再生保全機構「実践編|腹式呼吸」
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