怒り アドレナリン ドーパミンにはどのような関係があるのでしょうか。怒りを感じたときに起こる脳や自律神経の変化、アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミンの違い、怒りを落ち着かせる方法までわかりやすく解説します。
目次
怒りを感じるとアドレナリンやドーパミンはどうなる?
怒りを感じたときは交感神経が活発になる
「急に腹が立ったら、心臓がドキドキしてきた」「頭に血が上って体が熱く感じる……」そんな経験はありませんか?
怒りを感じると、体では自律神経の一つである交感神経が活発になり、ストレスに対応するための反応が起こると言われています。厚生労働省の資料でも、ストレス反応によって交感神経が刺激されると、ノルアドレナリンやアドレナリンなどが関係し、怒りや血圧上昇につながることが示されています。
「じゃあ、アドレナリンが出るから怒るの?」と思うかもしれません。実際には、怒りという感情そのものとアドレナリンの分泌は同じものではなく、怒りによって起こる体の反応の一つとして考えるとわかりやすいでしょう。
アドレナリンは主に副腎髄質から分泌され、心臓の働きを高めるなど、体を活動しやすい状態にする働きがあると言われています。
ドーパミンは「怒ると必ず増える」とは言い切れない
一方、「怒るとドーパミンも大量に出る」という話を見かけることがあります。
ドーパミンは、意欲や報酬などに関係する神経伝達物質として知られています。また、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンは体内で生合成の経路がつながっている物質です。
ただし、「怒ったからドーパミンが増える」と一律に説明できるわけではありません。怒りの感じ方や状況によって体内で起こる反応は異なるため、「怒り=ドーパミンが出て気持ちよくなる」と決めつけないことが大切です。
怒りを感じたときは、アドレナリンだけを見るのではなく、交感神経やノルアドレナリンなどを含めた体全体の反応として考えると、より理解しやすいでしょう。
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アドレナリン・ノルアドレナリン・ドーパミンの違い
3つとも関係の深い物質だけど、働きは同じではない
「アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンって、結局どう違うの?」と疑問に感じる方もいるでしょう。実は、この3つはすべて「カテコールアミン」と呼ばれるグループに含まれ、体内では互いにつながりのある物質と言われています。日本薬学会
簡単に整理すると、アドレナリンは体を活動しやすい状態にする働き、ノルアドレナリンは交感神経の情報伝達や血圧上昇などに関わる働き、ドーパミンは神経伝達物質として意欲や報酬などに関係する働きがあるとされています。
「じゃあ、怒ったときに中心になるのはどれ?」と思いますよね。怒りや強いストレスを感じた場面では、交感神経が活発になり、ノルアドレナリンが情報伝達に関わるほか、副腎髄質からアドレナリンなどが分泌されると言われています。心拍数が上がったり、血圧が上昇したりするのも、このような反応の一つと考えられます。健康日本21アクション支援システム
ドーパミンはアドレナリンやノルアドレナリンとどうつながる?
「ドーパミンだけ別物なの?」というと、そうとも言い切れません。ドーパミンは、体内でノルアドレナリン、アドレナリンへとつながる生合成経路の一部でもあります。日本薬学会
ただし、「怒ると3つが同じように増える」と考えるのは適切ではないとされています。それぞれ分泌される場所や働きが異なるためです。
つまり、怒りを理解するときは「アドレナリンが出た」「ドーパミンが出た」と一つの物質だけで考えるより、交感神経を中心とした体の反応と、脳内で働く神経伝達物質が関係していると捉えるとわかりやすいでしょう。健康日本21アクション支援システム
引用元:
・公益社団法人 日本薬学会「アドレナリン」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「ノルアドレナリン / ノルエピネフリン」
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怒ったあとにスッキリするのはなぜ?
「さっきまでイライラしていたのに、言いたいことを言ったら少しスッキリした」という経験はありませんか?
怒りを感じると、交感神経が活発になり、心拍数の上昇や筋肉の緊張など、体がストレスに対応するための反応が起こると言われています。そのため、怒っている間は心も体も緊張した状態になりやすいでしょう。(mhlw.go.jp)
では、なぜ怒りを表に出したあとに「気持ちいい」「スッキリした」と感じるのでしょうか。
一つには、怒っているときの強い緊張が一時的に弱まり、開放感を覚えることが考えられます。「ずっと我慢していたことを話せた」「相手に自分の気持ちが伝わった」と感じた場合も、気持ちが軽くなったように感じるかもしれません。
ドーパミンが「怒りの気持ちよさ」を作っている?
「怒るとドーパミンが出て、気持ちよくなるってこと?」と思う人もいるでしょう。
ドーパミンは、単純な「快楽物質」ではなく、報酬の予測や意欲、学習、行動の選択などに関係する神経伝達物質と言われています。怒りや攻撃性との関係も研究されていますが、「怒れば必ずドーパミンが増えて気持ちよくなる」とまでは言えません。(niigata-u.ac.jp)
たとえば、「怒鳴ったら相手が黙った」「強く主張したら要求が通った」という経験があると、その行動によって望んだ結果が得られたと学習することがあります。こうした報酬や学習の仕組みにはドーパミン系が関係すると考えられています。(jst.go.jp)
ただし、「怒りをぶつければストレスが解消できる」と考えるのは注意が必要です。怒りをそのまま相手にぶつけるのではなく、自分の感情を言葉にして整理するなど、落ち着いて扱う方法を身につけることが大切と言われています。(mhlw.go.jp)
引用元:
・厚生労働省「セルフメンタルヘルス」
・新潟大学脳研究所「D1ドーパミン受容体を介する神経情報伝達」
・科学技術振興機構(JST)「ドーパミンが嫌悪回避と報酬獲得を制御するメカニズム」
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怒りによってアドレナリンなどが増えると体にどんな変化が起こる?
心拍数や血圧が上がり、体が緊張しやすくなる
「怒った瞬間、心臓がドキドキする」「顔や体が熱くなった気がする」。そんな経験はありませんか?
怒りや強いストレスを感じると、交感神経が活発になり、ノルアドレナリンやアドレナリンなどが関係するストレス反応が起こると言われています。厚生労働省の資料では、この反応によって呼吸数や心拍数、血圧などが上昇し、筋肉が緊張するなど、体をすぐに動かせる状態へ準備するとされています。厚生労働省
「じゃあ、アドレナリンが増えると何が変わるの?」と気になりますよね。アドレナリンは主に心臓の働きを高める作用があり、ノルアドレナリンは血圧を上昇させる作用が強いと言われています。日本薬学会
そのため、怒っているときには心拍数が増えたり、血圧が上がったり、呼吸が速くなったりすることがあります。手に汗をかく、筋肉に力が入りやすいといった変化も、ストレスに対する体の反応の一つと考えられるでしょう。
怒りが落ち着くと体も少しずつ平常に戻っていく
「怒っているときは体まで力が入っている感じがする」という人もいるでしょう。これは、体が緊張状態にあるためと考えられます。
怒りなどの強い感情による生理反応には個人差がありますが、研究では怒りの場面で心拍数や血圧などの循環器系の変化がみられています。PubMed
一時的なストレス反応そのものは、体が危険や負荷に対応するための仕組みの一つと言われています。ただ、イライラや怒りが長く続く場合は、心だけでなく体にも負担がかかる可能性があるため注意が必要です。厚生労働省も、ストレスが続くと心身にさまざまな不調が現れることがあるとしています。厚生労働省
引用元:
・厚生労働省「セルフメンタルヘルス」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「ノルアドレナリン / ノルエピネフリン」
・公益社団法人 日本薬学会「アドレナリン」
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怒りで高ぶったアドレナリンや興奮を落ち着かせる方法
まずはその場で反応せず、少し時間を置く
「頭にきた!今すぐ言い返したい!」と感じたとき、勢いのまま行動してしまうことはありませんか?
怒りを感じた直後は、心拍数が上がるなど体が興奮した状態になっていると言われています。そこで、まず意識したいのがすぐに反応しないことです。アンガーマネジメントでは、怒りを感じたときに6秒ほど時間をやり過ごし、反射的な言動を避ける方法が紹介されています。(angermanagement.co.jp)
「6秒って短くない?」と思うかもしれません。でも、深呼吸をしながらゆっくり数えるだけなら、意外と取り入れやすい方法です。
ゆっくり呼吸して意識を別のところへ向ける
怒っているときは呼吸が速く、浅くなりやすいと言われています。そんなときは、鼻からゆっくり息を吸い、口から時間をかけて吐く「呼吸リラクゼーション」を試してみるのも一つです。(angermanagement.co.jp)
「深呼吸しても怒りが消えないんだけど……」という場合は、呼吸そのものに意識を向けてみましょう。何秒吸って、何秒吐くかを数えるだけでも、怒りから一度意識を離すきっかけになります。
また、目の前にある物を観察するなど、意識を「今ここ」に向ける方法も紹介されています。(angermanagement.co.jp)
大切なのは、怒りを無理に消そうとすることではなく、興奮したまま反応しないこと。少し落ち着いてから、自分がどうしたいのかを考えてみるとよいでしょう。
引用元:
・一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会「怒りの対処術〜冷静になるためのおすすめの方法〜」
・一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会「怒りの対処術〜冷静になるためのおすすめの方法その2〜」
・総務省消防庁「カッときた時に!~アンガーマネジメント~」
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