中殿皮神経とは：解剖・走行と役割

中殿皮神経の位置と働き

「中殿皮神経」って、あまり聞き慣れない言葉ですよね。でも実は、私たちがお尻のあたりに感じる痛みや違和感と関係していることがあると言われています。
中殿皮神経は、仙骨（せんこつ）から分かれて出る感覚神経の一つで、主にお尻の中央から外側にかけての皮膚の感覚を担当しています。腰の骨と骨盤の間あたりから枝分かれして走行し、仙骨孔（せんこつこう）という穴を通って皮膚の浅い部分に向かう構造をしているんです。

上殿皮神経や下殿皮神経とあわせて「殿皮神経群」と呼ばれますが、その中でも中殿皮神経は坐骨神経よりも浅い位置を通るのが特徴とされています（引用元：とくやま徒手療法研究所）。

どんな走行をしているの？

解剖的には、中殿皮神経は第1〜第3仙骨神経から枝分かれして、仙骨の外側を通りながら大殿筋（お尻の大きな筋肉）の裏側を走ります。その途中で、筋肉や靭帯（特に仙結節靭帯や仙棘靭帯）のすき間を抜けるようにして皮膚まで達します。このとき、筋肉や靭帯の硬さが増すと、神経が圧迫されて痛みを感じやすくなる場合もあると報告されています（引用元：宮川整骨院ブログ)。

「じゃあ、どのへんが痛くなるの？」というと、ちょうどお尻の真ん中から外側にかけての範囲が多いようです。座っているときや、長く立っているときにジワッとした違和感を覚える方も少なくありません。これは、神経が通るルートの途中で軽い刺激を受けることが影響していると言われています（引用元：aide-harikyu.com)。

中殿皮神経が注目されている理由

腰痛や坐骨神経痛と似たような症状を出すことがあるため、「見逃されやすい神経」としても知られています。特に、MRIやレントゲン検査では異常が見つかりにくいケースも多く、**“原因不明の臀部痛”**として扱われることもあるようです。
最近では、神経ブロックや徒手的アプローチによって痛みの原因が中殿皮神経であると判明する例も増えており、医療分野でも注目が集まっています。こうした知見からも、腰やお尻の慢性的な痛みを抱える人にとって、中殿皮神経を理解しておくことは大切だと言われています。

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