鍼灸は、体や心の不調を整えるためのサポートとして活用される施術方法です。ツボを鍼で刺激することで内臓の不調も改善が期待できるとして、不妊治療のサポートにも活用されています。今回は、鍼灸が不妊治療にどのような影響を与えるのか解説していきます。また、妊娠後の不調にも活用できるのか、妊娠後に鍼灸を受けるメリットとは何かも解説していきます。
不妊治療や妊娠後に鍼灸の施術を検討されている人は、ぜひ参考にしてください。

不妊に鍼灸がおすすめ？

不妊治療には漢方やヨガ、サプリメント、アロマセラピーなどさまざまな方法のサポートがあり、鍼灸はその中の一つです。不妊治療には、経済的負担だけでなく身体的、精神的負担も大きくなります。心身ともに負担を軽減させ、より多くの妊娠機会を獲得するためのサポートとしての選択肢の中に鍼灸があるのです。
では、なぜ妊娠機会を獲得するための選択肢に鍼灸があるのか詳しく解説していきます。

卵子の働きを正常にする

鍼灸の期待できる効果の一つに血行の促進があります。この効果により、骨盤内の血流やその周囲の臓器である卵巣や子宮などの血流も増加し、血行が促進されます。血行が促進されると同時に細胞も活性化され、卵巣では代謝交換が活発となるため、質の良い卵子が育つとされています。さらに、血行不良のため不規則であった卵巣の活動が正常化することで排卵周期などが正常化し、より多くの妊娠機会を獲得することにつながります。

自律神経の緊張やストレスを和らげる

自律神経のの乱れはホルモンバランスや結構酒量を引き起こす原因となり、排卵障害や月経不順など不妊に関わる要因の一つです。鍼灸では、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスを整えると同時にホルモンバランスを整える効果が期待できるとされています。これらのバランスが整うことで、自然とストレスの緩和にもつながり、不妊治療に大きな影響を与えるでしょう。

食欲をコントロールして妊娠しやすい体をつくる

痩せ型や肥満体系の人は標準体系の人と比べて妊娠しにくい傾向にあります。特にBMI値25以上となる内臓脂肪の多い肥満体系の人は、脂肪細胞がホルモンバランスに影響するため多嚢胞性卵巣症候群など排卵障害を引き起こしやすいとされます。
鍼灸の施術において、食欲をコントロールするツボを刺激することでダイエットの補助的効果が期待でき、妊娠率の上昇に役立つでしょう。

妊娠後も鍼灸を受けるべき？時期別の期待できる効果は？

不妊治療のサポートとして鍼灸の施術を受けていた場合、妊娠発覚後に鍼灸を受けていても妊娠の継続に影響は出ないのか不安に感じる人もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、妊娠後に鍼灸を受ける際の注意点や妊娠後に鍼灸を継続する場合の妊娠時期によるそれぞれの期待できる効果はどのようなものなのかを解説していきます。

妊娠初期（〜妊娠13週）

妊娠初期は流産のリスクが非常に高く、体調も不安定になりやすい時期のため鍼灸の施術を受け不調の改善や精神的なリラックス効果を得るのにおすすめです。特に妊娠初期はホルモンバランスの影響やつわりなどで、素直に妊娠の成立を喜べなかったり、ネガティヴな思考に陥ってしまったりと精神的に不安定になりがちです。精神的な安定を図るためにも鍼灸は効果的となるでしょう。
さらに、胎芽の成長のために子宮に十分な血流が必要になります。鍼灸により子宮への血流の促進効果が期待でき、成長を助ける働きにも期待できます。

妊娠中期（妊娠14〜27週）

妊娠中期に入り、つわりなどの症状が緩和されてくる人も多いでしょう。体調や精神的に安定が図れていれば、鍼灸の頻度を減らす方向で検討してみましょう。しかし、妊娠に伴い腰痛やむくみ、つわりの継続などの症状がある場合には継続した施術がおすすめです。

妊娠後期（妊娠28週〜）

妊娠後期にはしっかりと胎児は成長していますが、お腹が大きくなるにつれてマタニティートラブルも増加しやすい時期です。骨盤の歪みから腰痛や恥骨痛、子宮による圧迫でむくみの増強、疲れやすいなどといった悩みも出現するでしょう。また、分娩に向けて体力作りが重要なため、適度な運動が推奨されます。これらのトラブルの緩和や体力作りのサポートに鍼灸が効果的となるでしょう。
分娩が近づくことで、出産や陣痛、産後育児に対する不安などで精神的不安定となることもあります。鍼灸で期待できるリラックス効果によって心身ともにリラックスして出産に臨めるようなサポートとしての役割も期待できます。

ただし妊娠中は鍼やお灸を避けるべき部位がある！

妊娠中の鍼灸は、心身ともに安定化を図れることや子宮への血流を増加する効果が期待できるため推奨されています。しかし、ツボの場所によっては、妊娠の継続に影響を与えるものもあるため注意が必要です。
妊娠中に注意が必要とされるツボを下記でいくつかご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

首と肩の中間

首と肩の中間に位置する肩井（けんせい）は肩こりや頭痛の緩和に効果が期待できるツボですが、陣痛促進作用があるとされているため妊娠中の刺激は禁忌です。

足の甲

足の親指と人差し指の間の足の甲にある太衝（たいしょう）は、自律神経の乱れの調整や目の疲れ、生理不順に効果が期待できるとされているツボです。しかし、陣痛促進作用もあるとされているため、妊娠中の刺激はしないようにしましょう。

内くるぶしの上

内くるぶしから指４本分上の骨と筋肉の境目にあるとされている三陰交（さんいんこう）は、冷えや生理痛、消化器系の不調の改善に効果的とされています。しかし、妊娠中は流産のリスクを高める可能性があります。特に妊娠初期は流産のリスクをより高めてしまう可能性があるため注意しましょう。

不妊・妊娠中の鍼灸でお悩みの方は『かわな鍼灸・整骨院』にご相談ください！

血行の促進や精神的安定の効果が期待できる鍼灸は、不妊治療のサポートとしても効果が期待できる施術です。不妊治療による肉体的、精神的負担や疲労の緩和に効果的であり、妊娠後も骨盤内の血流を促進することで妊娠の継続のための助けになるとされています。特にホルモンバランスが大きく変化する妊娠初期では、さまざまな体調の変化や妊娠の不安などから精神的不安定になりやすく、鍼灸によるリラックス効果を得るのがおすすめです。しかし、ツボには生理関係や血行促進に効果的とされている場所でも妊娠の継続に悪影響を与えかねないものもあります。鍼灸などでツボを刺激する際は、それらのツボに注意することが重要です。
不妊や妊娠中の鍼灸に興味がある人や悩みがある人は、ぜひわかな鍼灸・整骨院にご相談ください。